500-130 | 予実管理
このドリルの手順を実施するためには、ご利用中のkintone環境にkrewSheetがインストールされている必要があります。krewSheetをまだインストールしていない方は、こちらから無償のお試し版をお申込みください。
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この記事は、krewDataドリル「月ごとの予実状況を把握する」で紹介しているフローを一部変更し、krewSheetからリアルタイム実行する場合の設定方法を説明します。
実績管理アプリのkrewSheet一覧画面で追加/更新した任意のレコードを選択し、リアルタイム実行要求の操作を行うことで予実管理アプリに予実集計データを出力します。
このフローは、krewSheetから通知されるリアルタイム実行要求をきっかけに予実集計フローを実行します。

入力アプリのフィールド構成
予算管理アプリ
- 各拠点の予算が月ごとに登録されているアプリ

実績管理アプリ
- 各拠点の実績が日ごとに登録されているアプリ。krewSheetの一覧画面を追加
- このアプリのkrewSheet一覧画面で任意のレコードを選択し、リアルタイム実行要求の操作を行うことを契機として予実管理アプリにレコードを追加/更新する

出力アプリのフィールド構成
予実管理アプリ
- 各拠点の予算と実績が月ごとに出力され、差異、達成率が確認できる
- 実績管理アプリのkrewSheet一覧画面で任意のレコードを選択し、リアルタイム実行要求の操作を行ったタイミングでこのアプリにレコードが追加/更新される

1.実績管理アプリにkrewSheetの一覧画面を追加する
リアルタイム実行の呼び出し元アプリとなる実績管理アプリに、以下の手順に従いkrewSheetの一覧画面を追加します。
ご利用中のkintone環境へのkrewSheetのインストール手順は、「krewSheetヘルプ-利用開始の手順」を参照してください。
- 実績管理アプリを開く
- 以下のような確認ダイアログが表示されるので「OK」をクリックする
- krewSheetのプラグイン設定画面に遷移してシリアルナンバーの入力を求められるので、krewSheetのシリアルナンバーを入力して「OK」をクリックする
- [設定ファイル]タブをクリックする
- [インポート設定ファイル]ボタンをクリックし、ファイル選択ダイアログでダウンロードしたzipファイルに含まれるkrewSheetの設定ファイル(JSON)を選択する
- インポートの確認ダイアログが2回表示されるのでそれぞれで「OK」をクリックし、[アプリを更新]をクリックする
実績管理アプリにkrewSheetの一覧画面が追加されました。

2.リアルタイム実行フローを作成する
krewDataのプラグイン設定画面でリアルタイム実行の実行単位を作成し、krewSheetのリアルタイム実行要求により実行されるデータ編集フローを作成します。
krewSheetから呼び出される実行単位の実行方法には「krewSheet連携」を設定します。

(1) 入力アプリを設定する
- 入力アプリコマンドを追加し、アプリを選択で「予算管理」アプリを選択する
- フィルタ条件に次のように設定する
・拠点 次のいずれかを含む %拠点_Array% - フィールドの選択で「拠点」「予算日」「予算」を選択する
- 入力アプリコマンドを追加し、アプリを選択で「実績管理」アプリを選択する
- フィルタ条件に次のように設定する
・拠点 次のいずれかを含む %拠点_Array%
・実績年 =(等しい) %実績年_Array%
・実績月 =(等しい) %実績月_Array% - フィールドの選択で「拠点」「実績日」「実績」「実績年」「実績月」を選択する
【補足1】「%レコード番号_Array%」について
入力アプリコマンドのフィルタ条件で設定した「%拠点_Array%」、「%実績年_Array%」、および「%実績月_Array%」はフィールドパラメータと呼ばれ、呼び出し元アプリ(本記事では実績管理アプリ)から通知されたレコード情報の値をデータ編集フロー実行中にコマンドの設定値として利用することができます。
krewSheetから通知されるレコード情報には複数のレコード情報が含まれるため、パラメータを選択するドロップダウンリストには、「%拠点_Array%」のようにフィールド名の後ろに「_Array」を付与した名前で表示されます。
ここでは、krewSheetから以下の2レコードが通知された場合を例に実行時の動作を説明します。

入力アプリコマンドではパラメータを使用して以下のフィルタ条件を設定しました。
- レコード番号 =(等しい) %レコード番号_Array%
データ編集フローの実行時には、通知されたレコードの「レコード番号」フィールドの値(「1」と「2」)が「%レコード番号_Array%」パラメータに設定され、以下のフィルタ条件として実行されます。
- レコード番号 =(等しい) 1 または レコード番号 =(等しい) 2
これにより、krewDataはレコード番号「1」と「2」のレコードのみを処理対象レコードとしてデータ編集フローを実行します。
【補足2】 パラメータ使用時の注意点
入力フィルタ条件にパラメータを設定している場合、フィルタ条件に固定の値が設定されていないためにフィルタが正しく動作せず、コマンドの設定時にプレビューデータを確認することができません。また、フロー作成画面の実行ボタンによりフローの即時実行を行った場合に、パラメータの値が参照できずに実行エラーになります。
これを回避するため、krewDataでは即時実行用のパラメータを設定し、フィルタ条件や即時実行時に参照されるパラメータに任意の値を設定することができます。

ここで設定したパラメータ値は、コマンドの設定時、および[実行]ボタンで即時実行した場合にのみ適用され、リアルタイム実行時はkrewSheetから通知されたレコード情報が適用されるため無効になります。
(2) データ編集コマンドで年と月を抽出する
年を抽出する
- データ編集コマンドを追加して、結果を保存するフィールドに「新しいフィールドを作成」を選択して、新しいフィールド名に「年」を入力する
- 編集方法で「日付編集」を選択
- 編集内容に「年を抽出」して、対象を「フィールド」「予算日」とする

月を抽出する
- データ編集コマンドを追加して、結果を保存するフィールドに「新しいフィールドを作成」を選択して、新しいフィールド名に「月」を入力する
- 編集方法で「日付編集」を選択
- 編集内容に「月を抽出」して、対象を「フィールド」「予算日」とする

(3) 各拠点の実績を年月に集計する
- グループ化コマンドを追加して、グループ化する項目フィールドに「拠点」「年」「月」を選択
- 集計する値が保存されているフィールドと集計した値を保存するフィールドに「実績」を選択
- 集計方法で「合計」を選択

各拠点の実績を年月ごとに合計する

集計した結果(プレビュー)
(4) 予算と実績を結合する
- アプリ結合コマンドを追加して、予算と実績をそれぞれ線でつなぐ
- 元になるアプリに「月を抽出」、結合するアプリに「年月単位に集計する」を選択する
※選択できるアプリとして表示される名称はアプリ結合コマンドにつないだコマンド名が表示されます - 結合方法で「内部結合」を選択する
- 元になるアプリの条件フィールドに「拠点」「年」「月」を選択する
- 結合するアプリの条件フィールドに「拠点」「実績年」「実績月」を選択する

予算と実績の結合

結合した結果(プレビュー)
(5) 不要なフィールドを削除する
アプリ結合コマンドの結果では、元になるアプリと結合するアプリの両方のフィールドが残るため、同じ値を持つフィールドが重複して存在することになります。フィールド選択コマンドで以降のフロー処理で必要なフィールドを選択し、それ以外の不要なフィールドを削除します。
- フィールド選択コマンドを追加して、使用するフィールドに「拠点」「年」「月」「予算」「実績金額」を選択
- 「予算」の新しいフィールド名に「予算金額」を入力する

(6) 予実差異と達成率を計算する
予実差異を計算する
- データ編集コマンドを追加して、結果を保存するフィールドに「新しいフィールドを作成」を選択して、新しいフィールド名に「差異」を入力する
- 編集方法で「数式」を選択
- 編集内容で数式に「実績金額-予算金額」を入力する

達成率を計算する
- データ編集コマンドを追加して、結果を保存するフィールドに「新しいフィールドを作成」を選択して、新しいフィールド名に「達成率」を入力する
- 編集方法で「数式」を選択
- 編集内容で数式に「実績金額/予算金額*100」を入力する

(7) フィールドタイプを調整する
データ編集コマンドで作成した新しいフィールドはフィールドタイプが文字列に設定されます。出力アプリに集計結果を出力する前にフィールドの構成とフィールドタイプを数値に変更します。
- フィールドタイプ設定コマンドを追加する
- 変更するフィールドに「差異」「達成率」を選択する
- 新しいフィールドタイプに「数値」を選択する

(8) 出力アプリに予実管理伝票アプリを設定する
- 出力アプリコマンドを追加し、アプリを選択で「予実管理」アプリを選択する
- 出力方式に「更新」を選択し、「更新または追加」をチェックする
- データ編集フローのフィールドで、アプリのフィールドに対応するデータ編集フローのフィールドを選択する
- 更新キーで「拠点」「年」「月」を有効にする

3.krewSheetのkrewData連携を有効化する
krewSheetのプラグイン設定画面でkrewData連携を有効化し、一覧画面からリアルタイム実行を行えるようにします。
- 「krewData連携」をクリックする
- krewData連携設定ダイアログで[krewDataライセンス]タブを選択し、「追加」アイコンをクリックする
- 「シリアルナンバー」にkrewDataリアルタイム実行のシリアルナンバーを入力する
- [設定]タブを選択し、「追加」アイコンをクリックする
- ダイアログ画面右側の設定項目を設定し、「OK」をクリックする
- アクション名:任意のアクション名(例:受注伝票を作成する)
- krewData専用アプリのURL:このアクションで実行する実行単位を作成したkrewData専用アプリのURL(例:yourdomain.cybozu.com/k/1234/)
- リアルタイム実行URL:krewDataで作成した実行単位の実行方法ダイアログに表示されるURL(例:api.krewdata.grapecity.com/trigger/v1/xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx)
- [連携]タブで「krewData連携を有効にする」をチェックする
- [アプリを更新]をクリックする
krewSheetの設定内容に関する詳細、利用上の注意点をkrewSheetドリルで解説していますので、こちらの記事をあわせてご参照ください。
・krewSheet上からkrewDataのリアルタイム実行を実行する
4.krewSheetからkrewDataのリアルタイム実行を要求する
krewSheetの一覧画面でリアルタイム実行要求を行い、予実管理アプリに予実集計データが出力されることを確認します。
- 実績管理アプリのkrewSheetの一覧画面で拠点が「九州支社」、実績日が「2024年5月」のレコードをチェックし、アクションバーで[リアルタイム実行]-[予実集計]を選択する
実行中のダイアログが表示され、krewDataのリアルタイム実行フローが実行される。
- 「成功しました」のダイアログが表示されたら「OK」をクリックする
予実管理アプリを確認すると、krewSheetの一覧画面で選択した拠点、年月の予実集計データが作成されていることが確認できます。

サンプルファイルのダウンロードはこちら
https://download.krew.mescius.jp/study/krewdata-drill/pratical/dt500-130actual-situation-krewsheet.zip